栃木県の生徒さんへプロ家庭教師のジャンプからのお知らせ
正方形、長方形などの平面図形はわかるけど、立方体、直方体などの立体図形になると面、辺、頂点の場所や数がわからなくなる子どもたちがいます。
平面図形は一方向から全体を見渡せますが、立体図形は一方向からだけでは隠れてしまって見えないところがあるため混乱してしまうようです。
今回は、立体図形を見ることに苦手意識を持っている子どもたちを対象として、身近なものを使って、工作しながら学ぶ立体図形の指導法を紹介します。
指導の一例として、算数の時間がつらいと感じていた生徒の話をします。
なんとなく形が違うのはわかるけど、どこがどう違うのかがよくわからないといった様子で、立方体か直方体かの区別ができませんでした。
そこで、ティッシュペーパー、チョコパイ、キャラメルの入っていたサイコロの箱など、身の周りにある幾つかの空き箱と、調べた結果を書き込んでいくまとめノートを用意しました。
まずはティッシュペーパーの空き箱の平面に着目して、
これはどんな形かな?
と聞いてみました。
四角。
と返ってきたので、
そうだね。
じゃあ、四角の中でも正方形かな、長方形かな?
とより詳しく聞いてみると、
長方形。
と答え、平面図形の理解はできていることが確認できました。
次に、一つずつ全ての面を見ていき、長方形だけでできた箱をのことを直方体ということを確認し、
(結果)
ティッシュペーパーの箱は直方体です。
(理由)
長方形だけでできているから。
とまとめノートに記録してもらいました。
二つ目のチョコパイの空き箱では、生徒だけの力で一つずつ判断してもらい、直方体であるところまでたどり着けました。
理解が深まったところで、まとめノートに結果と理由を書き込んでもらいました。
また、面、辺、頂点の数も同時に一つずつ見ていきました。
その際には、数え間違いがないように、数えた面、辺、頂点にペンで色をぬったり、シールをはったりしながら確認していきました。
生徒にとって、
見慣れたお菓子の箱と算数が繋がっている、
箱の形にも名前がある
ということが興味深かったようです。
さらに、図画工作が好きな生徒は、自分の好きなお菓子の空き箱を見渡して、塗ったり、貼ったりすることで、算数の時間だということも忘れ、姿勢も前屈みになるほど夢中になっていました。
この頃から、苦手なノートをとる作業にも自分から取り組むようになりました。
算数のノートを取っているという意識は無かったようで、まとめノートがいつしか自分で調べ当てた記録ノートに変わっていました。
好きな物や得意なことを学習の中に取り入れてあげることによって、そこからその単元や教科に対する印象も変わってきます。
この生徒の場合は、
先生、今度は大きい段ボールでやりたい!
と積極的に次の授業の提案をしてくれました。
色んな箱の記録を集めたいのだそうです。
このように、教科書からはいったん離れて、形を変えて、教科書にある知識を学びとる授業だと自然に受け入れられる生徒もいます。
教科書やノートだとよくわからなくてつまらないと感じていても、まずは実際の物を自分の目で見て、手で触れてみることによって、
この単元はわかる、面白い、
この教科はできる、自信がある
と、学びの世界を広げていくことができます。
プロ家庭教師の先生たちは、子どもたちのまだ気付いていない能力を引き出すための多種多様な指導法を提案しています。